このように広く愛されたかごしま黒豚は、おいしさを追求するため長い歴史の中で数々の改良が加えられてきました。それは、明治に始まり現在でもなお続けられています。
肉質が優れているとされるバークシャー種と交配することで、黒豚のよいところを引き出しながらそのおいしさに一層の磨きをかけ、豚肉の芸術品を完成させました。歯切れがよく、柔らかく、水っぽくなく、うまみがある。しかも、さっぱりしているなどの特色は多くの人に認められ、かごしま黒豚の人気はさらに高まってきました。
黒豚の先進地である鹿児島は、黒豚の研究においても世界でも類をみないスケールと内容を誇っています。研究は鹿児島県畜産試験場で主に行われていますが、かごしま黒豚のおいしさの背景には、つねにおいしさを追求する研究への姿勢があったのです。
かごしま黒豚の品種改良では、昭和57年に系統豚「サツマ」を完成。個体のばらつきが小さく、斉一性も繁殖能力も産肉能力も高い黒豚が生まれました。また、平成3年には、イギリスバークシャーを基礎とした系統豚「ニューサツマ」が完成しました。さらには、鹿児島在来の黒豚のみを基礎とした系統豚「サツマ2001」が平成13年7月に完成しました。これらの3系統豚を交配した系統間交雑種と在来黒豚との交配により、さらにおいしいかごしま黒豚をお届けする体制が整ってきています。
かごしま黒豚を支えるもうひとつのパワーは、カンショ。
カンショを飼料として与えることで黒豚の質が向上することは、研究結果によっても明らかで、脂肪の融点が上昇し、べとつかず、さっぱりとした食感が楽しめます。また、カンショを給与することで、赤肉脂肪中に抗酸化作用のあるビタミンEが増加することもわかっています。
消費者から一層の信頼確保
かごしま黒豚のすばらしさは、研究結果から4つに整理できます。
第1に、肉の筋繊維が細いということです。食べた時に歯切れがよく、やわらかです。ロースの部位で、大型種のランドレース種筋繊維の大きさが92.4ミクロンなのに対して、かごしま黒豚は81.1ミクロンと13%細くなっています。
第2に、保水性が高く肉質がしまり、脂肪組織の水分含有量が少ないため水っぽさがありません。ランドレース種と水分含有量を比較すると、背筋周囲脂肪で3%低くなっています。
第3に、中性糖やアミノ酸含有量などに旨味の成分含有量が多いということです。グルコースが9%、カルノシンが8.5%、ランドレース種より多くなっています。
第4に、ランドレース種と比較しても1.4度、脂肪の解ける温度が高いために脂がベトつかず、さっぱりしています。また、脂肪部分にも十分な旨味があり、食感も肉と同じ感じがするのも大きな特徴です。
独特の風味とうま味が絶賛されているかごしま黒豚の素材の良さを生かし、確かな生産技術で丁寧に造られた"本物"のおいしさ。かごしま黒豚へのこだわりが生んだ逸品です。
かごしま黒豚には、出荷の際に生産者名・出荷年月日・証明書番号を記入した「かごしま黒豚証明書」を添付し、販売店等まで流通します。この証明書は、かごしま黒豚ブランド産地指定基準をクリアし、「かごしまブランド産地」に指定された生産者グループのみが使用できます。
なお、この証明書は平成11年4月に商標登録されています。
この看板は、桜島をモチーフに屋久杉で作成してあり、鹿児島県黒豚生産者協議会が指定した「かごしま黒豚販売指定店」にのみ交付しています。
【鹿児島県黒豚生産者協議会HPより】
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